2017年8月24日木曜日

乾徳山&西沢渓谷




乾徳山&西沢渓谷







■一日目
西沢渓谷

登山日:2017/08/12
  乾徳山の登山計画にあたり、前泊を西沢渓谷とセット登山を計画。乾徳山登山日の前日に笛吹小屋キャンプ場に入って、まずは西沢渓谷巡りを楽しむ。
西沢渓谷は、秩父多摩甲斐国立公園内に位置する渓谷で、原生林を流れる渓流がいくつもの滝を作り、神秘的な魅力に満ちあふれています。「日本の滝百選」にも選ばれた名瀑が織りなす渓谷美は、まさに圧巻です。渓谷内は遊歩道が設けられ名瀑を楽しめました。


笛吹小屋キャンプ場

西沢渓谷マップ
田部重治文学碑
 
二俣吊橋

大久保の滝
三重の滝

人面洞

竜神の滝

 西沢渓谷は森林浴のリラックス効果が実証され、森林セラピー基地に認定されている場所です。自然の森に包まれて笛吹川の源流を遡り、どこからともなく聞こえてくる鳥の囀り、沢を流れる水のせせらぎ、森を渡る風の音・・・癒される森林浴です。
 一日目は、西沢渓谷を楽しんだ後、笛吹キャンプ場に戻り、宿泊のログハウス前で飛騨牛のBBQで山談義です。
キャンプ場でBBQ

■二日目
乾徳山 2,031m

登山日:2017/08/13
 乾徳山(けんとくさん)は、山梨県山梨市にある山で、奥秩父の山域にあります。中腹の牧歌的な風景とアルペンムードがある山頂部を持つ乾徳山は人気の山です。
 登山口は徳和バス停からが一般的ですが、遠方からマイカーの場合は、悪路でやや運転が困難ですが中腹の大平牧場まで行って登る人も多くなっている。今回はこの大平牧場から登りました。
 
大平牧場登山口

 大平牧場ルートは、今では牧畜をしている様子はありませんが、山の奥に現れる高原状の地形で、とても牧歌的なところです。大平牧場より作業道を登り大平牧場Pから10分ほど登ると大きな登山口の看板が設置されている。あいにくの曇り空で富士山を望むことができなくて残念。
ゴロ石の多い登山道

 大平登山口から登山道に入ると古い林道に絡んでの登りとなり、つづら折で急な登りを35分ぐらい登ると道徳尾根分岐に出る。風もなく灌木の道は暑くてつらい登りです。やがて開けた月見岩・扇平に出ました。広大に開けた草原は、休息には最適の場所です。
扇平

月見岩
 
 扇平からが乾徳山の核心部となる。登山道は大ゴロ岩の道となりコメツガ林へと入っていく。やがて髭剃岩(巨大な二枚羽髭剃)とチムニー状の大岩に間の狭い個所のハシゴを登る。すぐに切り立った岸壁をクサリもなくフリーハンドで岩場をトラバースする。
狭い岩場のハシゴ

垂直岩場のトラバース

垂直に近い岩場
 
 チムニー岩を過ぎると垂直に近い一枚岩の登りでホールドする箇所が少なく足場を探りながら鎖を頼りに登る。最後の登り上がりはホールド箇所がないためにクサリを頼りに腕力で上がる・・・ 
胎内岩
 
核心部の垂直の鳳岩(おおどりいわ)
 
 
 胎内岩を過ぎるといよいよ核心部の30m超の垂直の鳳岩の登りです。平らな一枚岩で足をかける場所もなく岩に足をフラット状態にして鎖を頼りに体を持ち上げて登る。足のスリップは怪我となる個所。途中に棚があり体力を整えて一気に登り上がると山頂です。あいにくの天候で山頂からの富士山が望めませんでした。 
乾徳山山頂
 
天気が良ければ富士山が望めます
 
参加者:タマジロウさん、ハセさん、美濃の3名

(written by MINO)
 


2017年8月12日土曜日

夏合宿

さて、昨年のリベンジの憧れの槍ヶ岳行きです。
ノロマ台風5号がどうなるのか、毎日天気図とにらめっこしてましたが、沖縄諸島まで西進して北上を始めました。とりあえず直接的な影響は薄いようで、天気予報には晴れマークが並び始めました。
そんな時、師匠から決行の案内があり小躍りしてたものでした。

4日朝関市役所に集合して出発です。30分前に到着するも皆さん集まってられて、慌てて師匠の車に荷物を押し込み出発です。気分は北アに向いていてこの時チョンボをしているとは、全く知りませんでした。

車は順調に北上して平湯に時間前に到着してタクシーを待ちます。来るなり乗り込み、新穂高へ。準備をして右俣谷林道へ入ります。しばらく林道を歩きショートカット道へ入ります。このあたりの里山より石ゴロゴロで歩きにくい道ですが、我慢しながら登りあがります。するとひょっこり開けたところに出て、穂高平小屋で出ます。

庭で休憩です。おかあさんが来て裏の稜線の説明をしてくれます。ジャンから北岳等々…。まだまだ稜線上はいい天気のようです。

一休みを終え再び林道を上がって行きます。白出沢を通り過ぎます。ここから奥穂へ上がっていくルートがあります。チビ谷を越え滝谷へ到着です。ここで昼食として休憩です。谷水は雪解け、冷たくて気持ちいいけど、ここにはまったら1分で震え上がるでしょう。

道標

休憩後小屋が設置してくれている橋を渡ります。幅30センチ程度で柵もなく滑ったら落ちるだけ。無事全員渡りきって槍平小屋へ向かいます。

滝谷仮設橋

恐る恐る…
岩の上のライブカメラの画です。左岸側に映ってます

藤木レリーフを見ながら樹林帯に入りますが、道には大きな石がごろごろしていて実に歩きにくい。

藤木レリーフです

今までもそうだったけど、河原石のように丸くて余計に歩きにくく感じます。そう思いながらも歩いていると、木道が出現します。小屋が近いのかなって思いながら沢沿いを歩いていると目の前が開け、熊の看板が出迎えてくれました。

ちょっと壊れかけてきてたな
まずは受付をして、庭でビール片手に作戦会議です。この小屋のHPに、南岳新道の梯子等が壊れて通行が危険と出てましたので、師匠には事前に連絡してました。それを確認してもらうと、登りはともかく下りは止めておいた方がいいとの話をされるので、明日どうしようか、となります。

ヤマケイの地図片手に作戦会議

地図を眺めながら、槍沢ヒュッテに泊ることとします。ただ、この槍平小屋周辺は全く電波が届かず、明日稜線に出て電話をすることとします。
翌日3時過ぎ起床、窓越しにこぼれ落ちんばかりの星を見て天気を確信します。準備をし、ヘッデンで5時前に出発です。

北穂?方面のシルエット

樹林帯の中を進みます、足元にはサンカヨウ、ツバメオモトが実を付けています。ここはフラワーロードのようです。咲く頃再訪したいと思いますが、その頃の槍は雪の中、無理ですね…。
進む途中で水場が出現するたびに飲んでみます。雪解け水なので冷たくて目が覚めます。飛騨沢を渡り最終水場で喉を潤してひたすら進みます。背後を見上げると西穂から奥穂の面々が眺められます。
進めば千丈沢乗越ですが、シャリバテでダメってことで、途中の登山道脇に腰を下ろして朝食弁当をとります。

朝食タイム

見下ろせば乗鞍が見えます。腰を上げ登りあがります。千丈沢乗越へ到着です。笠ヶ岳が立派な山容をさらけ出しています。花が散見され始めます。見上げれば乗越が見えますが、まだまだ遠い。

道標 西釜尾根へ行くのかな

このあたりで私の足に異変が…。右足太ももの痙攣が始まりました。即座に登山者定番の「ツムラの68番」を飲みます。少し休めばひいてくるので再び歩きます。休んでいたため、皆は先を歩いています。笠ヶ岳に見とれながら高度を上げていくとその奥に双六岳あたりが見えます。そして鏡平山荘の屋根も見えてきます。途中で今度は左足が痙攣を初め、また1包飲み休みます。降りて来られる人に話を聞くと、今朝の山頂は絶景だったとのこと。今もそんな感じの空が広がっています。着くまで待っててな、って思いながら歩いていくと、やっと飛騨乗越に到着です(3020m、日本最高標の峠です)。


飛騨乗越到着!

やっと腰を下ろせます。北方向にやっと槍の姿を目に出来ました。南には大喰岳が立派に見えます。本来ならここを経由して南岳山荘泊の予定でしたが、登山道の様子のおかげ?で行きません。またの機会を狙うことにします。

乗越から初めて見られます

やっと電波が明瞭に通じるので、ここで師匠が南岳山荘へキャンセルの電話をされます。予約してある南岳小屋には、南岳新道が崩落している部分があると聞いたので止めるということで了解してもらえました。さて、槍沢ロッジの予約です。「南岳小屋はキャンセルしたが、同行者が足を痙攣(私ですな)してるので、槍からそっちへ下山するので予約を…」と。
痙攣で遅れ気味で迷惑かけたんですが、とんだところでお役に立てたようで…(笑)。

さ、槍ヶ岳へ行きましょう。
尾根道を登りきると山荘に到着です。大勢の人が休憩されてました。

山荘前より 小槍も見えます

一息入れる間もなく、サブザックを用意しヘルメットを被りいよいよアタックです!
登ってる人がまばらに見える程度で、人が少ないって感じでした。それが幸いして渋滞することなく岩稜に取り付けます。

最新の注意で気をつけて
見るとするとでは大違いで、意外に手足をかけられるところがあり、要所要所には鎖やピンがありそれを確実に拾えば問題ない感じです。そして梯子を上り最後の二段梯子に取り付きます。安全に一人づつ登っても渋滞する心配もありません。

垂直に近い梯子

一挙手一投足を確実に梯子にかけることで安心感が得られ、さほどの高度感は感じませんでした。そしてとうとう日本で5番目の高さの頂に立ちました。すぐに祠の前で集合写真です。そしてプレートを持ち写真を撮ってもらい、見渡します。

ガスにまかれる大喰岳

西鎌尾根が立派です。それ以上に北鎌尾根の鋭い姿に驚かされます。不思議なことに、三角点は埋設されてなく石の上に乗ってるだけでした。次々と登ってこられるので狭く感じてきて、下ることにします。

デカイ! 山荘

恐怖を感じるとしたら、この下る時かもしれないです。上るとき同様、気を抜かず粛々と下て行きます。岩稜を巻くように取り付けられた鎖を掴み下りていきます。

下山ルート 一番いやらしかったかも

そして、土の上に降り立った瞬間に、緊張感から開放されるのを感じました。山荘に戻り昼食時間なのですが、行動食を口にして槍沢へ下りていきます。ざれた急坂です、つまり、のぼりに使うとざれた急登ってことですな。きついよね、近づくに従って急になるんだもんな。
槍沢から槍(殺生分岐あたりより)

殺生ヒュッテの前を通り進むと、雪渓が目に入ります。そこを高校の山岳部の夏合宿の生徒の行列が歩いています。渡りきるのを待っていると、通り過ぎる子全て気持ちのいい挨拶をしてくれます。
そこをしばらく下ると、播隆窟が。


これを見たかったんですよね、今回の計画にこのルートがなかったので諦めてましたけど、ラッキーでした。上人が槍を開山する際にここをBCとして、何度も山頂を極めたそうな。確かに、今でもビバークくらいは出来ると思われます。
それからもひたすら辛い下りは続き、水場を過ぎ下きったところは槍沢の雪渓。途中には崩落して大きな口を開けておりとても気持ちのいいものではなかったのですが、

雪渓が大きな口を開けてるんだよね

気持ち悪い雪渓歩き

トラバース道もないためふみ跡(泥がついた状態)を確実に拾って下ていきます。その途中からヒュッテの屋根が見れたがなかなか着かない。樹林帯に入り、歩きに歩くと、ババ平のキャンプ地に着いた。が、ここからヒュッテまでは900mもあるという。道を確実に下ているはずなのだが、着かない。タマさんに先に行ってもらい一人でぼちぼち歩いていると、雨まで降り出してくるし。カメラを濡らしたくないので、傘を差して歩きやっと小屋到着。部屋のある2階へ上がりそのままお風呂に。温泉ではないけど、ここは沢水が豊富なので、汗を流すだけですがいいですね。
お風呂上りに、皆でビールで乾杯です。外は雨なので玄関ホールの框に腰掛けて、です。そして夕食。夕食後雨が上がったのでまだ薄明るい外テーブルでもう一度祝杯です。背負って歩いた焼酎とバーボンを天然水で割り飲みますが、美味い。天然水といえば沢水ですが、今回3日間とも沢水を飲みましたが誰一人腹痛を起こした人はなく、やっぱり山屋はタフでないとダメですね。
翌朝目が覚めると外では雨音がするような気がします。が、それは沢の流れの音だったようで晴れています。明るくなった時点で外に出て、ヘリポートから見上げると樹間に槍の穂先が見られます。はるかかなたでもやっぱり立派です。昨日あの先に立ったと思いながら見上げると感激も一入です。

ヒュッテヘリポートから 樹間越しの槍

朝食を済ませ、準備を終え上高地へ下山です。梓川源流に沿って道はつけられてます。二ノ俣、一ノ俣と橋を渡り少し歩くと横尾へ到着です。

二丿俣

一丿俣

2年前の夏合宿以来です。
横尾

ベンチに腰を下ろして休憩です。30分ほど休憩をして横尾大橋を横目に徳澤園に向かいます。林道をひたすら歩きながら振り返っても、穂高の峰々はガスの中のようです。そして1時間少々で到着、早速ソフトクリームを舐めまわします。そして明神でタクシーに連絡して上高地に到着。河童橋は人で一杯ですが、岳沢方面はガスで奥穂の姿は見えません、焼岳だけ妙にくっきり見えてました。

タクシーの時間までしばらくの間おやきを食べたりして筋肉のクールダウンです。そして平湯へ到着し平湯の森で汗を流し、遅めの昼食をとり、美濃さんの新車号で関へ戻りました。お疲れさまでした。

飛騨牛でスタミナ補給

疲れたけど、非常に楽しい三日間でした。
今回もまた新しい発見やら反省の多い山行となりました。それを心して次の山に向かい合いたいと思います。
美濃さん、タマさん、シャモニさん、澤木さん、ありがとうございました。

そうそう、関に戻った時車のドアが開かなくて困りました。皆さんを見送ったあと鍵で開けましたがエンジンがかからない。JAFを呼んで事なきを得ましたが、ルームランプを消し忘れていたようです。情けなくなりました。慌てて確認もせず荷物を積み込んで出発したようです、以後気をつけなきゃいけないと反省しきりでした…。