2017年3月26日日曜日

日照岳(1751m)

手ごわい山 日照岳
別山より東に延びる尾根筋の山でこの先は御母衣湖で切れています。
薮山であるため、積雪期、残雪期しか登る事の出来ない山です。
岐阜百山


5時前に美濃病院を出発して荘川を目指します。登山口あたりの156号線は雪崩れで交通止めになってたんですが、2日前に解除になっています。

登山口近くの待避所に車を停め、登山口へガードレールを越え登り上がります。1m以上あったかな。
福島保木トンネル手前の退避場

登山口

前日に降雪があったようで、パフパフの新雪が麓で少々。スノージューを履いてクライムオンです。疎林の樹林を歩きます。いきなりの急登で目覚めてない睡眠不足の私にはキツカッタ…。

師匠が先導してくれます

師匠 穴にはまる!

尾根にとりつき上がっていきます。師匠が穴にはまるというアクシデントがありましたが、何とか上がっていきます。急登、坂道、急登の連続で休む場所もありません。この急登の先に平地があると言われますが、登ってもないよ。今までに比べればなだらかな登りなんで、楽っちゃ楽だけど…(笑)。
これが日照の一般的な坂だそうで…

山頂からのダイレクト尾根手前の急登で先頭がタマさんに交代です。

タマさんのパワフルなラッセル

圧雪状態の上に新雪が20センチ程積もってるので、スノーシューのクランポンは効かないし滑る滑る。一歩身体を持ち上げるべく足に力を入れ上がりますが、重心をそのままにしていると上がっただけずり落ちる。
見てよこの斜度 日照ではこれが坂道だって
そんなことを繰り返しながら、40分ほど坂と格闘して制覇しました。タマさん、ありがとうございました。

登り上がった先の丘 これが丘って言うんだもんな

私はと言うと、睡眠不足で身体は重いし、筋肉に粘りが無くなってるのかすぐ止まって呼吸を調えるという状態で、どんどん二人から離れてしまっています。幸いふみ跡がはっきりしているので迷うことはないんですが、きつかったな。登り上がった先の小山を登り下りたところで、初めて明確な休憩となります。少しだけお腹に物を入れますが、立ち休み。氷点下なんだろうけど、汗で濡れた身体はすぐ冷えます。上着のポケットのチョコが溶けてたし。
すぐに歩き始め樹林帯の壁を上って行くと、初めて登山者と会いました。ボードを背負った若者(と言っても、我々よりは若いって程度ですけどね)が追いついてきたので、先行してもらいます。枝に引っかかったりと、歩きにくそうでしたが、どんどん先へ進まれます。それに続きますが、私は相変わらず離されていきます。

はるかかなたの二人

雪庇の発達した所へ出て、振り返ると北ア オールスターズが見られます。少し霞んでたのが残念だったけど。
剱から乗鞍まで オールスターズ
それを眺め写真を撮りながら立ち休み一服します。お腹まで痛くなってきたし、冷えたのかしら?
気がつくと二人の姿は見えません。
美しいと思える巨大雪庇
雪庇に近づかないように!

あれれ、と思いながら、まずは足を動かします。でも、ガス欠直前の車のようにアクセルを踏み込んでもノッキングするだけで進まなくなっています。前に見える高みを今日の自分の日照岳としようと少しづつ登って行きます。南尾根がはっきり見え始め、進む先の強烈な雪庇を見ながら、右手にはしっかりした山容の山が見えてきます。三方崩かなって思いながら、その先の双耳峰のてっぺんが見え始め、あれはどこかな???って思いながら足を前に進めます。すると目の前にそりゃ斜度はあるにしろ平原のようなところが広がってきます。そして、その先には雪庇が張り出しているものの明瞭な高みが。あそこを山頂としようと思い進みます、左手にはこの平原のシンボルかなと勝手に決めつけたダケカンバが1本だけ立ってます。

シンボルのダケカンバ
シュカブラが美しい

山頂下の雪庇

ふみ跡にしたがって登り上がると、ボードの先っぽが見えてきました。上に立つとその先に高みはありません。ここが山頂?と思いますが、二人の姿がないし。

山頂の自然の造形美

すると、風裏の木の向うに居られました。多分30分程遅れての到着と思います。ここでの私の第一声は「これ以上登らなくていいですよね?」でした。すいませんでした、と心で呟きながらさっきの双耳峰が白山であることを聞きカメラを向けます。

白山

南白山、別山方面
三方崩山

小さな山頂プレート

ここで3人で写真に収まり、下山です。寒いし私の昼食は下の樹林帯までお預けです…。

南尾根

ダケカンバを通り過ぎ尾根に乗ったところで十数人のグループとすれ違います。皆さんから、ラッセルありがとうございました、と言われます。これが雪山のマナーなんでしょう。

すれ違います

最後の急登部でスノーシューからアイゼンに履き替え転げ落ちないように坂を下ります。それがまた、午後になって緩んできてるから股下までずり込むような踏み抜き多発で大変でした。下り切るまでその状態が続き、実に太ももの筋肉が鍛えられる山行になりました。
師匠と御母衣湖

途中でカモシカちゃんの見送りを受け、何とか下山。4時頃でしたか。

足跡は見かけなかったけど、見送ってくれました!

そのまま桜香の湯で汗を流して美濃病院6時半にて散会となりました。
考えたら朝車を下りて10時間一度も座る事が出来なかった修業のような山行でした。
これにて、私の今シーズンの雪遊びは終りです。
美濃さん、タマさん、素敵な山行をありがとうございました。

3月25日歩く

参加者:美濃さん、タマさん、定

written by sada


2017年3月22日水曜日

東天狗岳

渋の湯から黒百合、そして東天狗へ
更なる高みを目指して、アイゼン・ピッケルを使用した本格的な雪山登山へのステップアップの場所へ、19、20日の連休を利用して行って来ました。師匠お勧めの雪山訓練山行です。

関市役所を4時半過ぎに出発して、カセキでゆっきーさんと合流の後渋の湯まで。駐車場の心配があったので、渋の湯へのルート上に路中車が見られるようになってちょっと心配。それでも渋の湯について意地悪(師匠談)な女将さんの案内で駐車場へ。準備をして(アイゼン装着、スノーシューは車にデポ)渋川の橋を渡るといきなりの急登。身体よ目覚めなさい!と八ヶ岳に言われてる気がします。そこからも延々と斜登が続きます。途中の分岐(高見石方面)を過ぎるとまたまた急登が現れ、あえぎながら上ります。

八ケ岳らしい、シラビソの樹林帯を行く

もう下山する人もあります。そして八方台分岐に到着して一息つき、ここから先の唐沢鉱泉との分岐までシラビソの中の穏やかな雪上ハイクでした。

分岐を過ぎると、黒百合ヒュッテまで1キロとなり、200mほど高度をあげます。うっそうと生い茂った林を歩き、前方が明るくなってきたと思った時に、ひょっこり黒百合ヒュッテの庭に到着です。
天狗の庭の斜面 訓練適地です

ヒュッテに到着!

全景

早速受け付けをし、個室に荷物を置き着替えやらでまったりします。11時頃なのですが、ヒュッテの食事処は大賑わいですぐに食べれそうもありません。後で聞くと、前日の土曜は混雑したとのことなので、その人たちが天狗から戻って食事をして下山されるタイミングだったんでしょうね。

12時過ぎると混雑が嘘のような状態になってきて、我々も昼食とします。
昼食を済ませ、食堂兼談話室にて山談義。5月の山も決まってきたようです。
こうなるとお尻に根が生えた状態、何も出来ません。外へ出ることもせず、ずっとストーブの管理人してました。

童心に返ってトランプに興じます

部屋に戻り布団を敷きゴロゴロしていると夕食の準備が整ったようなので、食堂へ。
ハンバーグと白ワインを少々。食事が終わるとすることも無く、後は寝るだけ。

密談中?

6時半には布団に入ってたな…。寝たなって思って起きると消灯のタイミング。9時に星の撮影と思って外に出ると、真っ暗で風力発電機のうなる音が響いてます。これ、暗闇の中だと結構気味悪い音がするんだよね。ライトを照らすとチラホラと白いものが舞い落ちてきています。あれ、天気じゃないの?って思いながらまた布団にもぐりこみます。何度も目が覚めますが、もう一度寝なおして4時にトイレへ…。もう出発準備をされている方がみえて、どこへ行くのかは聞かなかったけど、どこかへ縦走されるんかな?空が白み始めたころ外のテントに明かりがともります。玄関の温度計を見るとマイナス13度。

夜が明けると-13℃

テントの中は水も凍ってる状態じゃないかな。でもほとんどが高校の山岳部って感じの子達だったから、若いから大丈夫かも。

見てる方が寒いよ、天泊

部屋に戻りザックを玄関に下ろしてパッキング。不要なものをデポして朝食後東天狗に向けて出発です。雪が舞ってたものの新雪はみられず、アイゼンがよく効きます。10分も歩かないうちに中山峠に到着し、ここでピッケルに持ち替えて少し歩くと展望が開けます。

中山峠から急登を登ります

東方面には浅間山から群馬あたりの山々まで見渡せます。しかし樹林帯を抜けたため風が出迎えてくれています。顔が凍えるほどです。

見えたよ西天狗に東天狗山頂下の天狗の鼻

平原部を歩き詰めると目の前には雪壁が立ちはだかります。先行者の様子を伺ってると、ここを上りあがるようです。それも東(左)側が切れ落ちた崖のふちを歩いてるようで正直困ったなと困惑してました。

こんな端っこ歩かなくても…

が、師匠はどんどん上りあがっていかれます。続いてミンミンさん、ゆずさん、ゆっきーさん。置いてかれると困るので進むしかありません、意を決して取り付きます。ふみ跡は良く踏まれていてアイゼンの歯がしっかり効くのでさほどの恐怖心はなく、ピッケルを確実に差込み身体を持ち上げます。1回だけ突風に身体をあおられて持っていかれそうになりましたが、九十九折に高度を上げていきます。右山、左山と変るたびにピッケルを持ち替え何とか壁を登りきりました。

アイゼン効かせてピッケルを突き刺して確実に登り上がります

そして、小屋からも見えていた天狗の鼻の岩稜となります。ここは巻いて上がっていくのですが、その巻き道が狭い。スノーシュー1枚分の広さです。しかも左側は岩、右側は切れ落ちてるし。それでも歩きとおしてやっと山頂が見えて来ました。西側には北アの連なりが確認できます。山頂下は強風のためか雪がほとんどなく、岩が出ていました。そして、多くの登山者で賑わう山頂に到着です。

山頂標示 後ろは蓼科方面

上りきった先は根石から硫黄、赤岳、阿弥陀と見られます。西側の西天狗への急坂にも何人もの登山者が取り付いているのが見えます。寒くて居られないので、写真だけ撮ってザックを下ろすことなくすぐに下山に入ります。まだまだ登ってこられる人がいるので、すれ違いに注意しながら鼻を巻いて壁を降りていきます。もちろん景色を楽しみながら、です。そして中山峠に着き一安心です。後は樹林帯の中をゆっくりヒュッテまで。時間は9時15分くらいだったので、2時間半で往復してきました。パッキングをし直しコーヒーを飲んでまったり過ごします。予定通り10時にヒュッテから下山開始です。

コーヒー飲んでまったりして、渋の湯へ向います
帰りもアイゼンで問題なし

往路を歩き1時間少しで渋の湯に到着です。無事雪山訓練終了です。
この後尖石温泉縄文の湯で2日分の汗を流して、
麓の展望地より天狗岳方面

蓼科山、車山などを眺めながらSAで昼食をとり、関市役所に5時過ぎに到着して、無事の登山が完了しました。
お疲れさまでした、そしてありがとうございました。

written by sada

3月19日、20日歩く
参加者:美濃さん、ゆっきーさん、ゆずさん、ミンミンさん、定

2017年3月7日火曜日

荒島岳

駐車場雪無し!


大賑わいの荒島岳

冬の荒島岳はシャクナゲ平まで行ってきました。
参加者は美濃さん・あんさん・タマジロウの3名。さぞ登山者も少なく、大雪でラッセル必至の雪山訓練と思いきや、雪はめちゃ少なく車は無雪期の駐車場まで難なく入れます。


ゲレンデをひたすら忍耐の登りです

とはいってもそこは荒島岳、スキー場ゲレンデの登りだけでもかなりしんどい。ゲレンデを登りきり振り返ると保月・杓子・中岳の向こうにいい形の経ヶ岳が姿を見せてくれます。


遠望に経ヶ岳

スキー場から登山道に入り木々の間を縫うようにトレースが続き傾斜が増してくる。こうなるとスノーシューのヒールリフターが効果を発揮してくれる。雪の斜面と格闘しながら後方に顔を出す大長山・赤兎・願教寺・野伏・小白山、その向こうには雲をまとった別山そして白山本峰に後押しされながら一歩一歩高度を上げる。前方にはブナの樹間ごしに右には小荒島、左に前荒島がその威容を見せる。

白山方面

トトロの木だよ


シャクナゲ平手前のわりと平坦なブナ林の中では雪洞・テント等で一泊したのか一団体が楽しげに撤収中です。

前方に急登が現れシャクナゲ平が近いのを暗示してくれる。しかしこの登りが意外と長い。
美濃さんドンドン先を行く、あんさんそれを追う、タマも続く、みんなでのぼる・ノボル・登る。


 
登る

のぼる 実にきついよ

最後は余裕でノボルんだよ!

登り切ったかと思うと待ってました、もう一つ。これを登り切ってたどり着いたぞ、シャクナゲ平!!


 
おもわず、バンザイ!

そこから広がる荒島岳の大展望、前荒島に取り付き、中荒島にへばり付く。そして本峰に列をなす登山者たち。北には山頂部を雲で隠した白山と別山・経ヶ岳、奥美濃石徹白の山々。

 
野伏あたり 奥美濃だよ

山頂方面 登山者の列が見えるかな?

存分に絶景を楽しみながら風もなく温かい陽ざしの中でランチ&ティータイムをすごす。

父娘登山隊 にしか思えないな…
画になるいい光景だね

下山は3名ともシリセードを楽しみながらアイゼン着用で快適に下りてきました。

 
尻セードをしながらアイゼンで降ります

無事下山 それが一番



あんさんどうだったかな?
楽しかったらまた参加してね!

3月5日歩く
written by TAMA