2017年5月19日金曜日

十石山(残雪期)


■十石山 2,524m(残雪期)
 白骨温泉ルートから十石山に登る。
 登山日:2017/05/14

北アルプスも春を迎えて山小屋も開き多くの登山者が訪れる時期となりました。美しい山岳風景は、積雪期の風景です。雪は自然の姿が最も美しく見えるときでもあります。

北アルプス南部の雄、乗鞍岳は、北に向かっていったん標高を下げた後、安房峠までの間に再び標高が高くなり十石尾根を形成する山が十石山。
登山口は白骨温泉から乗鞍スーパー林道に通ずる道を1.2㎞ぐらいで進むと中電の無線施設がある。ここの道路脇スペースに駐車して登山道に入る。案内標識がないので分かり難い場所です。飛騨山脈・乗鞍岳の東中腹の梓川の支流で湯川渓谷に湧く白骨温泉が登山口です。

白骨温泉

白骨温泉ルート登山口


登山口から10分ほどでスーパー林道と十石山の分岐があり唯一の案内標識です。登山口には、しっかりした案内板がなく湯沢沿いにルートをとったために20分ほどのタイムロスで途中からGPSを確認して正規ルートに戻る。この後、登山道には案内標識なしです。

登山道はあまり整備されておらず足元に注意を払いカラマツ林、コメツガ、白樺と標高が上がるごとに樹木の変化がみられる。

カラマツ林
湯ノ平・1850m付近


一気に標高220mほど高度を稼ぎ1800mの湯ノ平の平たん地に着く。ここから残雪も多くアイゼンを装着して登る。
湯ノ平は、1㎞四方あまり広くトレースもない樹林帯でありルートを間違いやすい場所です。GPSを頼りにルートを確認しながら、最長の連続急登の支尾根に入る。

1800mの積雪のツガ林の中を安定した場所を選びながら右に左に標高を稼ぎます。標高2200mで時計を確認するとすでに11時50分とH300mを登るのに2時間を要していました。
ツガ林
奥穂、前穂の眺め
ツガ林の上部が2400m分岐

まだまだ夏山ルート分岐(標高2400m)まで直登が続き、酸素も薄くなり呼吸も荒くややシャリバテ気味です。やっと分岐の2400m地点に到達です。既に時計は12時を過ぎていました。ここでランチとしてその後に登頂するか判断とする。


ランチを終えて、最後の傾斜は37度を越える傾斜で400mほどを直登です。一歩一歩、キックステップしながら登る。中腹まで来るとクラックが山腹を横切るようにして延々と続き、雪崩の危険性もある場所です。

山頂への雪壁
長大なクラック

遠望に乗鞍岳
遠望に奥穂と前穂
避難小屋
ここを登りきるとやっと避難小屋のある山頂直下に到着です。すでに時計は1時を回っていました。
見晴らしの良い台地に登ると あっと驚く冠雪の穂高の大パノラマが展開です。西を見ると乗鞍岳のつながる稜線が手に取るほどです。北アの絶景のビューポイントです。三角点のある山頂は、ここから5分ぐらい西になる。
十石山展望台地

奥穂、前穂


手前に焼岳、後方に笠ヶ岳

乗鞍岳

参加者:タマジロウさん、美濃の2名


■コースタイム
登り:十石山登山口→(0:45)→湯沢ノ平(18350m)→(2:40)→分岐(2400m)→(0:35)→十石峠避難小屋→(0:05)→十石山

下り:十石山→(0:05)→十石峠避難小屋→(1:45)→湯沢ノ平(18350m)→(0:50)→十石山登山口






2017年5月9日火曜日

能郷白山





能郷白山(残雪期)



■能郷白山 1,617m(残雪期)
 能郷谷ルートから能郷白山に登る。
 登山日:2017/05/05

能郷白山は、岐阜と福井の県境、美濃の最奥に位置する両白山地に属する山で越美山地の最高峰です。

おりべの里に集合して能郷谷に向かいました。能郷の里から車で能郷谷左岸を通りしばらくして能郷谷の橋を渡り今度は右岸を遡りつめて八谷を左に見て500m位でゲートがありゲート前に駐車する。
駐車場から登山口まで林道を3.8㎞ほど歩くとことになる。林道もところどころ崩壊している状態でやっと「能郷白山登山道入口」の標柱が立つところに着く。
 
林道ゲートここから登山口まで3.8㎞ 
能郷谷先に前山が迎える

ようやくの登山口

 登山口からすぐに前山から源流とする谷沢を渡渉するがこの時期は雪解けの増水で沢内を歩くことも覚悟で渡渉する。渡渉ごにすぐ支稜の急な登りがはじまる。背後に能郷谷と奥美濃の山並みが広がる。

ドボンを覚悟で渡渉

 急登の連続で急斜面を観念して一歩一歩登り標高928mを過ぎると、次第に尾根がやせてくる。いったん旧林道(廃道)のカーブ地点に出る。一息入れて直進して支稜を登る。傾斜がゆるくなるとブナ科の見事な雑木林におおわれた尾根に出る。

急登の連続

 原生木や苔むした倒木やイワカガミの群生で癒される。自然豊かな尾根を高度を上げていく。

イワカガミの群生

 明るい笹の平を過ぎるとやがて南に鋭い山容の蕎麦粒山と遠くに大きな山容の伊吹山の山々の展望が開ける。

鋭い山容の蕎麦粒山

 やがて右の前山から山稜が合流する手前地点で登山道は残雪の雪壁が立ちはだかる。キックステップで慎重に前山稜線に登り上がる。ここでアイゼンを装着する。先には長い尾根を南に派生する山頂が見えてくる。
 
前山への尾根道
前山稜線へ登り上がり

前山からゆるい起伏が続くがそ根尾西谷を隔てて白山を見ることができる。大郷谷側に切れ落ちる吊尾根を1,410mの鞍部まで下る。

遠望に加賀白山


前山稜線から向かう能郷白山

1,410mの鞍部から小ピークを越えて、雪原を通り山頂と神社ある稜線に向かうが前方に雪壁が待ち構えている。

尖った雪上尾根

 標高1,540mあたりから70mほど雪壁を一気に山頂と神社のある稜線に登り上がる。

傾斜のきつい雪壁を登る
 
1617m山頂

 
1617mの山頂に立ってすぐに熊野白山権現の社に移動してランチタイムです。時すでに12時10分で、登り始めて6時間が経過です。
能郷白山神社奥宮
小津三山方面

部子山と銀杏峰

  30分ぐらいで昼食を済ませて往路を下山です。
下山したのは17時30分で下山お所要時間は4時間45分程度でした。
 
参加者:タマジロウさん、ミンミンちゃん、ゆずさん、イッチーさん、美濃の5名
  
by mino

■コースタイム
登山者駐車場(6時05分)→登山口(7時20分)→前山稜線(10時10分)→山頂(12時05分/12時40分)→登山者駐車場下山(17時25分)

2017年5月5日金曜日

法恩寺山&北岳縦走登山口




法恩寺山&北岳縦走(積雪期)




■法恩寺山1,357m・北岳1,609m
 法恩寺山から伏拝・北岳の縦走

法恩寺山は、福井県勝山市の加越国境に位置する標高1,357 mの山。
越前禅定道として修験の場所として重要な山開祖・泰澄が白山開山。
修験の場所として重要な山であり、山頂は伏拝として白山を崇拝した場所でもあります。

法恩寺山から伏拝を通り経ヶ岳南尾根を登り北岳を目指しますが場所によってヤブ漕ぎが強いられるルートで残雪期を選択です。
早朝に美濃病院に集合して福井県勝山市のスキージャム勝山から林道で登山者駐車場登山口に入りました。既に先客の一台が駐車してありました。
登山者駐車場登山口
登山口から樹林帯に入りすぐに右側に木階段があり延々と続く残雪の木階段を行く。階段が終わると法恩寺山まで1㎞の標識がある。
残雪の木階段
急坂が続き、スギ林からブナ林に変わるとスキージャム勝山のゲレンデと並進するようになる。法恩寺山には帰路に登るとしてイリュージョンサイト・ゲレンデに出る。
イリュージョンサイト・ゲレンデ
開けたゲレンデからダケカンバと遠望の大日山の景色ががとても印象的です。法恩寺山を巻いてリフト山頂に出る。ここは、法恩寺山と1320mピークの鞍部になる。
ゲレンデから大日山を望む

法恩寺鞍部から正面の南東にドドドーンと目指す北岳が聳え、その西に思い出の経ヶ岳が並んで双耳峰に見えてまるで鹿島槍の光景です。思ったより残雪が多くここでアイゼンを装着して伏拝(フクハ)に向かう。
法恩寺山と1320mピークの鞍部から北岳・経ヶ岳

1320mピークから伏拝ピークを望む

伏拝までは夏山では登山者も多く登山道が明瞭のはずが残雪が多くトレースもなくブッシュが圧雪で横倒しされた枝払いをしながら伏拝に登頂です。
伏拝ピークから白山を望む

伏拝は白山を崇拝した場所で大長山を手前に白山が絶景でまさしく伏拝(ひれ伏して拝 む)場所です。伏拝から右に折れて北岳を目指しますが、夏山ではヤブ漕ぎが強いられるルートです。幸いにも残雪が1m以上ありヤブ漕が避けられて一気に 1302mポイントまで下ることができました。

1302mポイント


一帯が広いブナ林の中で悪天候のときはルートを間違いやすい場所です。さらに20mほど下り最低鞍部から北岳に向かう1390mポイントへ急登を登る。キックステップしながら登り1390mポイントをトラバースして最大の難所である超ヤセ尾根の核心部になる。
1390mポイント

とんがり帽子のように尖った雪上尾根は足幅もない尖りです200mほど続きます。
尖った雪上尾根

やっと通過していよいよ最後の登りで広大な絶景の場所の北岳平に着く。
北岳直下の雪原(北岳平)

時間はタイムリミットの11時30分がすでに過ぎておりここ北岳平で大絶景を楽しんでランチタイムとしました。誰もいない、こない、広い雪原の北岳平では大絶景の白山に感動です。
北岳平から白山を望む

大長山、赤兎山、そして白山から石徹白の銚子ヶ峰や野伏ヶ岳まで繋がる峰々に圧倒される場所です。
 

北岳平から白山を望む

南西には眼前に経ヶ岳が手の届きそうなところで山頂には登山者が確認できる。
赤兎山と白山
石徹白の山々・野伏ヶ岳

 

赤兎山への稜線

北岳から経ヶ岳を望む

予想もつかなかった残雪量でここまで登頂できることができました。
春山は予想外の残雪もあり企画の重要さを再認識です。
 
by Mino
登山日:2017/4/30
参加者:タマジロウさん、jiroさん、美濃の3名
 

■コースタイム
登山者駐車場(7時35分)→法恩寺山鞍部(8時40分)→伏拝(9時15分)→1302ポイント(9時45分)→1390mポイント(10時40分)→北岳平(11時40分)
登山者駐車場下山(15時15分)